金正恩の一族が実は信者?!キリスト教と北朝鮮とアメリカ

現在、テレビ等でよく顔を見る金正恩氏の祖父は金日成(キム・イルソン)といいます。

金日成は金王朝と揶揄される今の体制の創始者です。
今の北朝鮮の独裁体制も、格差社会も、喜び組も、彼あってのものです。彼は北朝鮮で神のごとく偉大な人物です。金正恩も金正日も、彼がいなければ権力の座にはありませんでした。

北朝鮮国内にある巨大な像が時々、日本のテレビでも報道されますね。誕生日は祝日だといいます。

この金日成氏、長寿な人物で82歳まで生きました。私が子供のころのニュースでは今と違って日本語読みで「きんにっせい」と呼ばれていました。

94年に亡くなっています。ソ連崩壊の2年後ですね。

 

北朝鮮を支援してきたソ連の崩壊と混乱、そして98年まで続く飢饉によって、北朝鮮の貧困は一気に深刻化します。

北朝鮮政府は選ばれた一部の家庭以外に食料を供給しなくなりました。結果、多数の餓死者をだすことになります。北朝鮮は海外から援助の必要な国とみなされるようになり、隣の韓国との差がはっきりしてきます。

 

・・・この北朝鮮、実は日本が戦後を迎えたころまで、東アジアで最もキリスト教が栄えた地でした。

そして、驚くべきことに、上記した独裁体制の祖、金日成もキリスト教家庭の出身なのです。

 

「東のエルサレム」と呼ばれた平壌

1900年代はじめの平壌は、キリスト教徒にとって、東アジア伝道の華々しい成果でした。彼らは平壌を『東のエルサレム』とまで呼んでいました。

現在、日本のgoogleで「Jerusalem of the East(東のエルサレム)」と検索しても平壌(Pyongyang)について述べた記事がすぐにヒットします。

朝鮮半島でアメリカの長老派プロテスタント組織が布教をはじめたのは1895年からでした。

長老派とはプロテスタント カルヴァン派のひとつです。現在、アメリカで主流にある福音派の母体でもあります。

朝鮮では近世よりカトリックの布教があり、禁教されていたとはいえ信者もいました。
しかし、それを圧倒する勢いでアメリカ人による布教は成功しました。プロテスタントの波は朝鮮全土に広まったといいます。

1948年に現在の体制になるまで、朝鮮半島には2000ほどの教会があり、その多くが北朝鮮側にありました。

 

キリスト教徒に囲まれていた金日成

金日成の公式バイオグラフィおよび英語版wikiによると、彼は以下の環境で育ったといいます。

  • 祖父はプロテスタント長老派の牧師
  • 母方のおじも牧師
  • 両親も教会で役職をもっていた
  • 父親は薬剤師だったが、時折、宣教師をつとめることもあった
  • 母親の名前はイエスの使徒ペテロにちなんでつけられた
  • 金日成は教会の中で育ち、オルガン奏者をつとめることもあった

――――それが、なぜ、共産主義陣営に加担する独裁者になってしまったのか?

キリスト教に熱心なアメリカ人たちにとって、これは大きな疑問です。現在でも、金日成の生前の言葉を紐解いての、仮説、憶測が飛び交っています。

金日成本人がすでにこの世にいない以上、それは永遠に解けない謎なのですが・・・。

 

北朝鮮の建国後、共産主義を標榜するうえで、国内のすべての宗教が禁じられました。宗教活動をする者は逮捕されるようになったといいます。

しかし、金日成も、自らを育んだキリスト教に対しては、少し態度が違いました。

●キリスト教組織のトップは血縁者
1946年、共産主義国家を宣言するに先立って、北朝鮮キリスト教連盟というものが設立されました。
これは共産主義の当局と協調するキリスト教徒により運営される組織です。3年後、すべてのプロテスタントの牧師は強制的にこの連盟に加入させられました。

組織のトップは金日成の母方のおじで牧師である康良煜でした。このおじは、のちに最高人民会議の副委員長などの要職も兼任します。

その後、この役職は康良煜の次男に引き継がれます。金ファミリーの血縁の率いるキリスト教組織ですね。

 

●母のために教会を再建
金日成が母と過ごした思い出の教会は、朝鮮戦争時、アメリカの攻撃で破壊されました。
金日成は晩年、母の思い出に捧げるとして、その再建を命じます。
それが1989年に平壌に建てられた七谷教会(Chilgol Church)です。近くには金日成の母の記念館もあります。

 

一般人は知らない?平壌の2つの教会

平壌にあるプロテスタント教会は七谷教会だけではありません。

七谷教会に先立って、1988年に鳳水教会(Bongsu Church)というものも建立されています。座席が1200席もある大きな教会です。毎週日曜の朝10時に信者のための活動が行われます。

驚いたことに、アメリカの大物伝道師 ビリー・グラハム氏が過去2度に渡って訪れてスピーチを行っています。
グラハム氏の死後である2000年と2008年にも、妻と後継者である息子がこの教会を訪れ、スピーチを行っています。

 

これら二つの教会は、ともに北朝鮮キリスト教連盟(現在の名称は朝鮮基督教連盟)によって管理されています。

表向き共産主義の北朝鮮ですが、教会に通うだけの数のキリスト教徒が間違いなくいる・・・だから教会が建てられたのでしょう。

では、現在、北朝鮮で教会に通っている人たちとは、どのような層なのでしょう?

教会はふたつとも、首都平壌にあります。

信者はエリートのあつまる大都会、平壌に住めるひとたちということですね・・・

Back to the Jerusalem of the Eastという本によると、実際のところ北朝鮮の建国初期からいるエリート支配層の多くはキリスト教家庭の出身、もしくはキリスト教の教育を受けた者たちである

http://www.prophecynewswatch.com/article.cfm?recent_news_id=1190

・・・実際、以下のような逸話もあります。

北朝鮮の南側である韓国で「韓民族独立の父」として偉人扱いされている安昌浩という人物がある。この人物自身は金日成と別の道を選ぶが、その妹は金日成のパーティに加わった。

兄である安昌浩と同じく、妹も熱心なクリスチャンだった。

金日成いわく、彼女は愛国者であると同時にキリスト教徒だった。聖書の間にパーティのメンバーズカードを挟んで、熱心に活動していた。(金日成自伝 With the Centuryより)

 

―――――平壌の教会に通っているのは、金日成が北朝鮮を建国したときの仲間だったキリスト教徒たち、または彼らの子孫かもしれません。

日本で「北朝鮮 キリスト教」で検索すると、当局の目をのがれて地下教会に所属する人たちの話が多くヒットします。

韓国側によると、こうした地下教会を経て韓国にきた脱北キリスト教信者たちは、この平壌の教会の存在を知らないそうです・・・。



ビリー・グラハム氏の訪れた鳳水教会は食品会社を仲介してアメリカ長老派の援助を受けていると英語版wikiにはあります。

そして東洋経済ONLINEによると、トランプ氏は長老派の信者を自称しているそうです。

・・・どうでしょう?アメリカと北朝鮮の関係・・・日本のテレビからだけではわからない裏事情もあるのかもしれませんね。

 

 
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http://dotheword.org/2014/05/19/the-surprising-reason-kim-il-sung-rejected-christianity-and-what-christians-should-do-about-it/
https://en.wikipedia.org/wiki/Korean_Christian_Federation
https://en.wikipedia.org/wiki/Kang_Ryang-uk
https://en.wikipedia.org/wiki/Kang_Pan-sok
https://en.wikipedia.org/wiki/Kim_Hyong-jik
https://en.wikipedia.org/wiki/Chilgol_Church
https://christianhistoryinstitute.org/magazine/article/the-jerusalem-of-the-east
https://en.wikipedia.org/wiki/Bongsu_Church
https://library.uoregon.edu/ec/e-asia/readb/202.pdf
https://en.wikipedia.org/wiki/With_the_Century
http://www.prophecynewswatch.com/article.cfm?recent_news_id=1190








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