世界で最もアメリカ依存の国

日本はアメリカ依存の強い国だということは、日本人にとっては常識ですね。

基本的にアメリカについていけば間違いはないと考えている人は、戦中戦後の貧しさを知っている世代を中心に、少なくありません。

 

では、アメリカ人からみて、自国に一番依存していると感じている国はどこでしょう?

それは日本ではありません。
トランプ氏の選挙活動で一番に槍玉にあがっていた国、メキシコです。

 

北アメリカ繁栄の影 中南米

日本でアメリカとメキシコの関係が注目を集めることは、あまりありませんね。

しかし、実際にはアメリカとメキシコ含む中南米の国々は、常に互いに意識しあっています。アメリカはそこから移民してくる人々や資源から利益を得る一方、彼らの無法ぶりに頭を悩ませています。

アメリカからみれば、日本はかなりの優等生です。その分、存在感や親しみも中南米と較べて薄いかもしれませんが。

 

日本人からみるとアメリカという国は、ヨーロッパの仲間の国であり、すばらしい技術と経済力、軍事力を持つ、白人の強さを体現したような国かもしれません。

しかしアメリカ人からみると、アメリカという国は、北米という陽が、中南米という陰と共存している国なのです。
国家づくりに失敗した中南米から、有能な労働力を安価で得ることができる一方で、彼らの持ち込む堕落と無秩序に引きずり込まれないよう、常に緊張していなければならない・・・

 

また、アメリカという国が生まれた歴史を自国の歴史の一部として知るヨーロッパ人達にとって、北米と貧困と混乱の地域である中南米はセットです。

・・・それゆえ、アメリカはヨーロッパの保守層からは少し格下に見られてしまっています。

ヨーロッパの上流階級にアメリカへの憧れはありません。彼らにとってアメリカとは歴史的に、自国でやっていけない者が逃げた先なのです。魅力といえば豊かさぐらい。

 

しかしアメリカの上流階級はヨーロッパに憧れ、行きたがります。トランプ氏もイギリスの事業に進出してましたね。
アメリカのwikiをみても、白人の著名人ほど先祖がヨーロッパのどこの国から移民した一族かということにこだわったページになっています。
日本のマスコミが伝えないトランプ氏の子供達の経歴」で触れたトランプ氏の子息たちも、祖父が東ヨーロッパの出身であることに誇りをもってますね。

教育もそうです。よく知られているとおり、アメリカで英語の次によく話される言語はスペイン語です。メキシコをはじめとする中南米の国の言語であるせいだといわれています。
けれども富裕層、知識層は子供にフランス語を学ばせたがります。フランス語ができるか、スペイン語ができるかで、その人の育った社会階級をみわけられると言われるほど。
アメリカ人の留学先も伝統的にヨーロッパが人気です。

 

アメリカ合衆国とは、中南米の仲間にはなりたくなく、ヨーロッパにもなれない国なのです・・・

 

だからこそ、日本やフィリピンのような、アメリカのことをヨーロッパの先進国と同等の国とみて、憧れ、尊敬し、依存してくる属国に弱いのかもしれません。

 

「影」の地域、中南米は、「光」であるアメリカ合衆国を夢見る民であふれています。その結果が、毎年、国境を超えてくる無数の不法移民です。
正式な移民も大変な数です。2010年の調査によると、この年にアメリカに来た移民の半分以上がラテンアメリカ出身だそうです。

中でも、隣国という地理的条件により、アメリカと見えない鎖で宿命的に結ばれたメキシコは、世界最重度のアメリカの属国といえるでしょう

 

「影」は中南米だけではない

そんなメキシコは、やはり欧米に依存する元植民地のフィリピンやインド、そして近年の日本と同じ状況にあります。

優秀な人ほど自国を捨てて、憧れの国アメリカに移住したがる。

・・・それが国民にとって、当たり前になってしまうと、自国の成功は絶望的です。

たとえば日本のテレビ番組で、よくインドの教育レベルの高さが特集されますね。インドの学校の九九が日本よりずっとレベルが高いという話は、20年ぐらい前から報道されていたように思います。

しかし、その割にインドはいつまでたっても、なかなか発展できませんね。

なぜなら優秀な子供達は成長するとアメリカやイギリスに行って、それっきり帰ってこないからです。

 

それでもアメリカのような先進国に移住できたんだから、いいじゃないかと思う方もいるでしょう。確かに一代目はいいかもしれない。

けれど、その子供たち、アメリカの教育で育った二代目、三代目になってくると違います。

彼らは先祖の国の文化に興味や親しみはもっています。けれど、あくまで興味でしかない。

彼らが本気で渇望するのはアメリカの一部になることです。

白人と外見を似せて髪を染めてタトゥーを入れたり、白人と同じようにキリスト教の教会に通ってみたり、白人と結婚したりすることです。

日本で華々しい功績を挙げた人、優秀な人がアメリカやヨーロッパの先進国に移住する話は枚挙にいとまありません。
なのに、 移住した日本人の子孫に、あまり華々しい話を聞かないのは、そういうことでしょう・・・彼らの多くには日本独自の美徳も美学もありません。普通のアジア系アメリカ人として育てられ、そのとおりになっているだけ。

こうした移民の二世、三世の話は日本だけでなく、ごく一般的な有色人の移民の成れの果てです。フィリピン系も、タイ系も、ベトナム系も・・・

 

アメリカ合衆国の繁栄の裏には、無数のこうした移民達の子孫がいます。
白人でない”アジア系アメリカ人”の彼らは、白人が主人の国アメリカでは決して主流派にはなれません。永遠の間借り人です。

 

かつての日本が経済大国になれたのは、西洋式を取り入れつつも独自要素の強い、オリジナルの商品や方式を発信できたからでしたね。

昭和にみられた日本人のオリジナリティは失われてないと信じたい人達は、日本の衰退は為替の問題など外的な要因であると思いたがります。

しかし、強引に円安にしたアベノミクスがあまりうまくいかなかったように、今の日本が沈んでいく理由はそこではないのです。

伝統色の強い環境で育った昭和に活躍した人々と、高度成長期以降、教育から住居まで洋式を真似たものに囲まれて育った今現役の日本人では、価値観も、美徳も、美意識も、まるで違うのです・・・

 

西洋文化の価値観は世界の多くの有色人の国の文化を侵食、あるいは席巻してる。
日本人も中南米など元植民地の民と同じように欧米文化の後追いしかできなくなるならば・・・独自の価値観に基づく違う方式を提示できないならば、そうした国々とならんで体力を削る低賃金競争、能力競争に加わるしかない。

欧米はこうした国々の優秀層を移民として吸い取ってますます繁栄します。その分、移民たちの母国はやせ衰える。

 

欧米への憧れという罠にはまった国々は、西洋化を進めれば進めるほど、欧米人を真似る以外に何もなくなり、欧米人に利用され、結局、貧しく細々とやっていくしかなくなるのです。

**************

ここまで書くと、このブログが日本人が作ったものには珍しく中国贔屓な理由が、少し理解していただけたかもしれません。

中華系の民はどこに移住しても自国の文化、美徳を守り、子孫に伝え続ける。

おかげで自分たちの民族から出た優秀な人材が、異民族に奪われっぱなしになるといったことは少ない。異民族が標榜するイデオロギーに乗せられて、損をかぶったり、無駄な血を流すことも少ない。

 

これはユダヤ系の民の歴史にも、同じことが言えるかもしれません。

 

http://www.reuters.com/article/us-mexico-economy-uslinks-analysis-idUSTRE5734HX20090804

 

関連記事
「アメリカをイギリスの植民地に戻して」アメリカ人の嘆願にエリザベス女王は・・・

戦後の日本人の原風景はアメリカドラマ

経済大国を作った戦前世代、失われた20年の戦後世代

世界で進む有人ドローンの開発。・・・日本は?

 

世界で最もアメリカ依存の国


世界で最もアメリカ依存の国